インコ・オウムのFAQ

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このコーナーについて

以前の不適切な飼養管理の反省から、ネット上(主に Yahoo 知恵袋)でいろいろな質問に答えてきました。しかし、あまりにも同様の質問や、鳥についての知識を持たないまま鳥をお迎えしてしまう方が多いようなので、そういった良くある質問をまとめてみることにしました。

しかし、よく言われることですが鳥についてはまだ分らないことも多いですし、昨日、正しいと思われていたことが今日は間違ったことである場合もあります。また、賛否両論ある意見も少なくありません。私自身、鳥についての医学的な専門家ではありません。ここに書かれていることが100%正しいとは保証できないことはあらかじめご了承下さい。そして、できるだけ多くの良書を読んで、あなたの愛鳥について学んでください。

ブランコや止まり木に食べたものを吐き戻します。

オスであり、首を上下にさせるような吐き戻しであれば基本的には問題ありません。これは父性本能からくる発情行動で、メスがいればメスへの求愛プレゼントまたは子育て中の餌運びになります。ただし、あまりに過度な発情行動はオスといえども生殖器系の病気にかかるおそれがあるので、気をつけなければなりません。

また、首を左右にブルブルッとするような吐き戻しはそ嚢炎(胸のあたりにあるエサを蓄える器官にカビ等が発生する)など病気である可能性が高いので、早急に鳥専門医に見てもらいましょう。

鳥は本当に鳥目?鳥の目は色を判別できるの?

結論から言ってしまえば、一部の種類を除いて鳥目ということはありませんし、色の判別に関しては、鳥のほうが優れていると考えられています。

もう少し詳しく説明するために、まず、目の仕組みについて説明します。目の重要な器官として、明るいところで機能する錐体という器官と、暗いところで機能する幹体という器官があります。そして、これらの器官が光や色を感じることでものが見えるようになっています。特に錐体は、人間の場合、赤を感じる錐体、緑を感じる錐体、青を感じる錐体の3種類をもっています(だからこの3色が光の三原色なわけで、この錐体に異常があると、いわゆる色覚異常)。一方の幹体は1種類しかないので、暗いところでは世界が白黒に見えますが、非常に感度が良くなっています。

さて、次に動物が進化の過程でどの様に色覚を発達させてきたか簡単に整理してみたいとおもいます。もともと、色覚は無脊椎動物も持っていましたが、それが脊椎動物になってさらに発達しました。もっとも豊富な錐体をもっているのは、「魚類」「両生類」「爬虫類」「鳥類」で、彼らは人間よりも多い、4つの錐体を持っています。そして哺乳類は、主に夜を制する動物として進化したことから錐体が退化し、多くは2つの錐体しか持ちません。かわりにほ乳類は暗闇で有利な幹体や嗅覚が進化したものと考えられます。しかしヒトや一部のサルは、日中活動するようになったため、2つあった錐体のうち片方が分離し、再び3つの錐体を持つようになりました。

そして昼を制する鳥類は錐体を4つ持ち、ヒトを含む哺乳類に比べ、動体視力も含めて視力は比較にならないほど、格段に優れているといわれており、色覚も全ての生物の中で最も優れていると考えられています。一方で夜に働く幹体はヒトほど発達していないと言われていますが、種々の情報をまとめると幹体が若干少ないものの、人が「鳥目」と言っているほど見えないわけではなく、暗い状況に順応する時間が長いため、突然真っ暗にすると一時的に見えなくなる、というのが真相のようです(ただし鶏は本当に鳥目だとの記述もあります)。さらに、鳥類は紫外線までも見えているという説もあります。ちょうど、赤外線が安いデジタルカメラに写るような感じでしょうか。

以上をまとめると、暗いところでは幹体の発達したヒトの方が優れていて、明るいところでは錐体の発達した鳥の方が優れており、また鳥が鳥目ということはない、ということになります。

参考資料

色覚の進化 http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/brain/brain/25-1/index-25-1.html
インコの器官と疾病 http://www.avian.jp/kikan.htm
視細胞と色を感じる仕組み http://contest2002.thinkquest.jp/tqj2002/50205/sence/eyecell.html
第4回種子散布研究会要旨 http://www.fieldnote.com/minori/abstract2005.html

インコとオウムの違いは?

しばしば大きいものがオウムで小さいものがインコであると勘違いされますが、このような分類は私の知る限り存在しません。実際、最も大きなインコ・オウムは「スミレコンゴウインコ」といって、尾羽の先まで入れると体長は1メートル以上、体重も1.2キログラム以上もあり、これは他のオウムと名の付く鳥よりも大きいのです。

旧来の伝統的な分類学では、「オウム目」があって、その下に「オウム科」「インコ科」「ヒインコ科」があります。この場合の違いは、一つめが果実食であるかどうかです。果実食であればヒインコ科に分類されます。二つめは頭に冠羽(トサカとは違います)と呼ばれる羽がついているかどうかです。付いていればオウム科、付いていなければインコ科に分類されます。

ですが、インコとオウムの厳密な分類は無いようです。実際「コッカテイル」は冠羽があるためオウム科とされていますが、日本名は「オカメインコ」です。

また、近年では遺伝子学に基づいた化学的な分類である、Sibley Ahlquist Monroe によるDNAハイブリダイゼーション法を用いた分類も普及してきています。この分類では、「オウム目」があって、その下には「オウム科(インコ科とも訳す)」があるのみで、全てのインコとオウムが同じ科に属します。

どうして、インコは喋れるの?

鳥には鳴管と呼ばれる器官があり、ここで音を発しています。オウム、インコはこの器官が発達していて、また大きな舌も手伝っていろいろな声、音をまねることができるのです。つまり、体のつくりが声をまねしやすくできているのです。

ではなぜしゃべるのか、と言う点ですが、特にオウム類は知能が高く、仲間と高度なコミュニケーションをとることができます。つまり、彼らは共に暮らす仲間やパートナー(すなわち人間)とコミュニケーションをとりたいがために人間の言葉を覚えるのです。ヒナから人間に育てられた手乗りであれば、なおのことです。

知能はどれくらい?

大型のインコはよく「永遠の2歳児」と例えられます。しかし、もしパートナーである人間とのコミュニケーションがうまくいっており、人間が適切な訓練に熱心ならば、それ以上の知能を獲得できるでしょう。

インコの会話で最も有名な、アメリカでオウムの知能研究をするペッパーバーグ博士に協力しているヨウム(インコ科の鳥)のアレックス君は4~6歳児の知能を持っていると報告されています。

アレックスくんはま6での数を理解、発音し、7色の色を弁別でき、数多くの物を認識しています。ですので、自分で「ナッツちょうだい」と言って要求することもできます。

さらにアレックスくんは、数、色、形といったカテゴリー分けも理解していて、「緑色で三角のもの」といったものを認識することもできますし、「無い」という概念も理解しています(「無い(ゼロ)」という概念は数学的にも高度な概念だと言われています)。

加えて驚くべきことに、ペッパーバーグ博士のテスト(「これは何?」というような質問)に飽きると、わざと間違えて自分の期待する質問を誘導するようなこともあるそうです。

ただし、アレックスくんは特殊な訓練を受けており、全てのオウムが(というより一般家庭にいるほとんどのオウムが)そのようになるわけではありません。

参考資料

アレックス・スタディ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320055977/qid%3D1116516772/503-7479991-2143120

最近~です。餌も良く食べて元気なのですが、気になります

何か一つの症状が見つかったら、それらの症状は内臓疾患、ウィルス性、栄養失調などなど様々な原因が考えられます。見た目からは予想も付かないような原因を抱えていることも少なくありません。例えば、爪やクチバシの伸びすぎやその他の異常は、まさに内臓疾患、ウィルス性、栄養失調の全てが考えられる例です。従って、素人が安易に「~が原因だろう」と判断すべきではありません。

また、被捕食者であるかれらはギリギリまで元気なふりをします。エサも食べたふりをして周りにこぼすようなケースもあると聞きます。そして、とうとう具合が悪く見えたときには手遅れである場合が少なくありません。

少しでも気になる点があるならば、鳥専門医に診察していただきましょう。

殻付き?ムキ餌?副菜はどうするの?ペレットって?人間の食べ物は?おやつは?

まず、殻付きのシード(種子)とムキ餌のシード、どちらを与えるべきかという話題がしばしば出ます。これに関しては多くの専門家が「殻付きのほうがよい」という意見に同意するでしょう。

第一に、ムキ餌は死んだエサであり、保存性がよくありません。第二に、彼らが自ら殻をむくことでストレスの解消になります。第三に、クチバシの自然な摩耗を促進させ、クチバシが伸びすぎるのを防ぎます。一方でムキ餌は怠惰な飼い主にとって便利なだけであり、鳥たちにとって何のメリットもありません。

殻付きを使う場合、殻をどう処理したらよいかという問題が発生します。最もよいのは、一日分ずつエサ入れに入れて、毎日交換することです。保存性のよい殻付きとはいえ、一度テーブル(エサ入れ)に出してしまえば、食べている最中に異物(鳥が加えている青菜など)も混入するでしょう。そのため梅雨場などは特に衛生面が心配です。ある程度の無駄が出てしまうことになりますが、不衛生なエサで病気になって病院へ通うことを考えたら安いものです。また、殻のせいでエサがまだ入っていると勘違いして飢えさせてしまう事故もあるようです。ですので、やはり毎日交換することをお勧めします。

つぎの問題は、餌としてシードしか与えていないケースです。シード(種子)しか与えていないということは、は人間でいうところのご飯とパンしか与えていないということになりますので、栄養失調となる可能性があります。シード食中心ならば、かならず副菜を与えましょう。

副菜としては、栄養面からみて小松菜が最も優れた野菜の一つです。一方で日本産のほうれん草はシュウ酸が毒となるので与えない方がよいという意見が一般的です(最近のほうれん草はシュウ酸が少ないとも聞きますが、触らぬ神に祟りなしといったところでしょうか)。このように、人間にとって有益な野菜であっても鳥にとっては問題となる場合もありますので、何を与えるべきかは専門書や鳥専門医の意見を参考にしましょう。このほか、塩土、カトルボーン、ボレー粉などでミネラル分を摂取できるようにしてください。ミネラル入りのグリッド(砂)も売られていますが、一般的に飼われているインコ・オウムであれば不要であろうという意見が少なくありません。実際、チョコはレントゲンを撮ってもらったところグリッドがたまりすぎだと指摘されました。

栄養管理に自身のない方は、ペレットを試すとよいかもしれません。ペレットとは鳥の総合栄養食であり、機能的にはドッグフードのようなものです。基本的にそれさえ与えていれば他はいらないといううたい文句で、多くの鳥専門医がその有効性を認めています。ただし、ペレットを好む鳥はあまり多くなく、すでにシード中心の鳥は切り替えに苦労するかもしれません。切り替え前に鳥専門医と相談しましょう。また、ペレットは栄養的に優れていますが、それで鳥の満足感が充足されるかといえばノーだと思います(少なくとも私は、毎日カロリーメイトしか食べられない生活だったら死んだ方がマシです)。そういった面から、おやつや野菜などをあげる必要はあると思います。ただし、これも栄養バランスの問題があるので、鳥専門医のアドバイスをもらった方がよいでしょう。

人間の食べ物は原則として与えてはいけません。先ほど述べたとおり、人間には無害であっても鳥にとっては有害である食べ物が多くあります。そもそも鳥と人間では必要な栄養素が違うのですから当然でしょう。例えば、チョコレートは猛毒とされますし、食パンはそ嚢でかびやすいうえに意外と塩分が多く、鳥にとって危険だとされています。ですので、人間の食べ物は基本的に与えてはいけません(研究の進んでいる欧米では特別な種のパンを与えることはあるようですが、日本では十分な指導のできる鳥専門医が多くないので、やめておいた方が無難だと思います)。

さて、人間もおやつを楽しみにするのと同様、鳥たちも特別な食べ物であるおやつは喜びます。彼らにとってのおやつとしては、ひまわりのタネやナッツ類といった種子、あるいはフルーツなどがあげられます。この他、鳥用品専門店へ行くと鳥専用に作られたクッキーが売られています。そういったものをあげるのもよいでしょう。ただし、おやつのあげすぎには気をつけましょう。これらは週に数回までにするべきだという意見が一般的で、あげすぎると栄養バランスを崩す結果となります。

インコが卵を産んで困っています。

例え一羽しかいなくても、本鳥さえ環境が良いと思えばどこででも産みます。この場合、もちろん無精卵ですので、ヒナが孵ることはありません。

以前飼っていた手乗りのセキセイは人の懐に入り込んで産んでいましたし、たとえケージの中であっても隅のほうにすることもあります。

しかしながら、産みすぎは生殖器系の病気を引き起こしたり、最悪の場合、卵詰まりで命を落とすこともあります。対策として、

・一日に光を浴びる時間を8時間程度にする(産まなくなったら12時間ぐらいに戻してOK)。

・巣の代わりになりそうなものや場所は撤去、封鎖する。

・高蛋白高脂質なエサは与えない。

・偽卵を入れる(卵が一定の数になるまで生む性質があります)。

・暖かくしすぎない。

・手乗りならむやみに背中をなでない。

などがあります。もし産み始めてしまったら、卵の殻が薄くならないよう、カルシウムを豊富に取るようにさせましょう。

鳥はオシッコしないの?鳥のフンの白い部分は何?

鳥はオシッコをしません。かわりに尿酸という形で排泄されます。

そして、腎臓で作られた尿酸は、総排泄腔(お尻のあたり)でフンとくっついて、フンと一緒に排泄されます。

鳥のフンにある白い部分はこの尿酸なのです。

窓越しの日光浴は無意味?

彼らはビタミンD4という物質を、日光浴の時に浴びる紫外線によってビタミンD3という物質に変化させます。通常、ビタミンD3を自然な食べ物から摂取することはできません。そして、ビタミンD3はカルシウムの吸収を助ける働きがあるので、ビタミンD3が不足すると骨が弱くなります。

しかし、普通の家庭にある窓ガラスはほぼ間違いなく、彼らにとって有効な紫外線を90%以上カットしてしまうと言われています。従って、栄養学的な見方をすれば窓越しの日光浴はあまり意味がないと言えるかもしれません。

とはいえ、外に出すとカラスやネコ、イタチといった外敵が心配な方も少なくないでしょう。そういった場合にはフルスペクトルライト (*1) を使うと良いでしょう。フルスペクトルライトはその名の通り、全ての周波数帯の光を含む、太陽光に近いライトです。もっとも、本当に太陽光と近い光を出すフルスペクトルライトは数万円するそうですし、爬虫類用の紫外線ライトでは紫外線が強すぎるそうですので、インコ・オウムには「太陽光に近い」と称している5000円ぐらいのライトでちょうど良いようです。

フルスペクトラムライト、トルーライト、スパイラルライトなどの名称で売られているのが一般的です。

またペレットを主食としている鳥の場合、その中に必要なビタミンD3が配合されていることも少なくありません。ペレットの成分表示を確認してみると良いでしょう。

結論として、窓越しの日光浴は無意味、直接日光浴できない場合はフルスペクトルライトやペレットが有効、ということになります。しかしそうは言っても、気分的には自然光のほうが気持ちよいでしょうから、フルスペクトルライトやペレットを使っていても、できるだけ日当たりの良いところへケージを持って行ってあげればメンタル面も充足するのではないかと思います。