新しい家族をお迎えして大丈夫かどうかはこのコーナーに書いてあることや他の情報源をよくよく吟味して決めて欲しいと思いますが、それでもまずはじめに「これだけは」という点を述べておきます。それは次に述べる 1. 手間とお金をかけることができるのか? 2. 誰が世話をするのか? 3. 寿命を全うするまで面倒を見れるのか? という三点です。
まず、お互いにとって衛生的で快い暮らしを送るためには毎日の世話が必要です。これはもっとも基本的な手間です。そして彼らは比較的丈夫ですが、それでも年に何回かは健康診断へ行ったほうが良いでしょう。さらに、病気になったときは普段の何倍も手間がかかりますし、直るまでしばらく (*1) 病院へ通院しなければなりません。そういった手間やお金に関する心構えは大丈夫でしょうか?
子供の情操教育や責任感を養う目的で世話を子供に任せようとするのはよくあることだと思いますし、これも悪いことだとは思いません。しかし、先ほど述べたようにインコの世話は意外と手間がかかりますし、いざというときにはそれなりのお金が必要になります。そういったことを考えると、子供がすべての責任を負うことはできません。子供が世話をした後にはそれが適切なものかどうかチェックする必要があるでしょうし、時にはお金を出さなければなりません。
さらに、インコは基本的に一夫一婦制ですので、家族の中でも誰か一人を唯一のパートナーであると認識することが少なくないようです。そして問題なのが「世話をする人=唯一のパートナー」とはならないことです。もちろん、種や個体、環境、しつけ方や接し方によってそうはならないという主張もあります。しかし、もしあなたが一生懸命世話をしているのに、家族の中のほかの誰かをパートナーと認識してしまったとき、あなたは嫉妬することなく世話を続けることができるでしょうか?(もっとも、唯一のパートナーとはいえ適切に接していれば家族みんなと仲良くなれるでしょう。)
インコ類は体の大きさの割りに大変長寿です。もっともポピュラーで小型のセキセイインコですら7~10歳、長寿なコであればそれ以上生きます。中型、大型ともなれば寿命はさらに延び、50歳以上生きますし、中には100歳を超えるコもいます。最後まで責任をもてるでしょうか?
さらに、高い知性を持つ彼らは精神的に充足していなかったり、育て方が不適切だったりするとさまざまな問題行動を引き起こします。例えば、ストレスが原因で体の毛や羽を抜いてしまう、毛引き症やそれが深刻になった場合に自分を咬んで傷つけてしまう自咬症、寂しくてパートナーを大声で呼ぼうとする呼び鳴きが代表例です。
以上のような問題が最低限認識しておいてほしいことです。そして、こういった問題が発生したとき、決して逃がしてしまわないでください。都会の一部ではワカケホンセイインコが野生化していますが、そういった例は極めて特殊であり、基本的に人と暮らしてきた彼らに自分の力でエサを見つけ、外的から逃げ、日本の環境に適応して生きのびる力はありません (*2) 。