彼らの健康を管理する上で重要な存在となるのが主治医となってくれる獣医さんです。しかし、いまだに犬猫以外は詳しくないという先生が少なくありません。いざというときの、また普段の生活指導や健康診断をしてもらうための専門医を見つけておくことは重要ですが、はじめてインコをお迎えする人は「鳥専門医 (*1) 」などという獣医がいることすら知らないのではないでしょうか?ここで二つの例を示しましょう。
私がまだインコのことに詳しくなかったころ、オスのセキセイインコがエサを吐き戻し始めました。これはオスの父性本能で、自然な行為だったのですが当時の私は彼を近くの動物病院へ連れて行くことにしました。この動物病院は「犬猫」と冠していたのですが、電話をしたところ鳥も診れるということで連れて行ったのですが・・・。
彼をキャリーから出そうとしたのですが、うまく出せず、彼は部屋を逃げ回りました。私はいつものようにシッポをつかんで捕まえようとしたのですが、看護士が聞きません。ひたすら追っかけまわしてとっつかまえようとしました。彼は余計に怯えて逃げ回りました。そこへ先生が出てきて「飼い主が捕まえられないんじゃ、どうしようもないじゃないか!」と。もちろん、キチンとしつけていなかった私にも非があるのですが、むやみに追い回した看護婦に原因があるというのが私の主張です。それはさておき、疲れきった彼をわしづかみにした獣医は「ちゃんと捕まえられるじゃないか!」と私に言い放ちました。さらに症状を話すと「サルモネラだな。注射打っとこう」と言い、その獣医は嫌がる彼へ無造作に注射を打ったのです。最近になって知ったのですが、鳥への注射は慎重に行わなければならないとのことでした。それより何より、その獣医は結局ろくな診察ができなかったのです。
後日、上述の例で示した獣医に不信感を抱いた私は別の獣医に彼の診察をお願いしました。その獣医は対応もよく、鳥に関する最低限の知識は持っていたようです。結局、そこで父性本能だと教えていただき、今後はこの獣医に診ていただこうと思ったわけですが・・・。
その獣医は確かに信頼できる方でした。しかしそれは「医者としての姿勢が」ということであり、鳥について詳しいかというのは別問題です。最初のころは犬猫病院の獣医とのギャップでこの先生なら万全だと思っていたのですが、実はペレットのことすらほとんど知らなかったり、鳥専門医の診察を受けてそれと比べると再びその違いに驚き、必ずしも鳥に詳しい先生ではないことが分かりました。結局、緊急時にはその先生にお願いするとしても平時の主治医としては別の鳥専門医にお願いすることにしました。
それでは、鳥に詳しい獣医さんはどうやって見つければよいのでしょうか?最もよく言われるのが「そ嚢検査はできますか?」という質問をするというものです。この検査では、口から細いチューブを胃カメラのようにそ嚢まで挿入しなければなりませんので、鳥を診るうえで最低限の技術を持っているかどうかの指標となるからです。それに加えて、あなたが鳥について十分な知識を身につけ、自分の知っていることを獣医に対してわざと質問してみるのも良いかもしれません。そのとき、自分の知っている知識と同じ答えが返ってくればそれでよいでしょうし、違う答えが返ってきたならば、「~という話を聞いたこともあるのですが・・・。」とさらに質問してみると良いでしょう。これであなたの知っている知識とその先生の答えとの立場の違いをキチンと話してくだされば、たとえあなたと飼養管理の方針が違っていたとしても、いざというときに頼れる獣医であるといってよいと思います。
そういった獣医は、お迎えする前にあらかじめ見つけておきたいものですが、電話口での問答だけで判断するのは難しいかもしれません。まずはそ嚢検査のできる病院を2,3見つけておいて、新しいコをお迎えしたら実際に診てもらって比べてみると良いでしょう。