日本銀行が判断する景気の基準とは


日本銀行が判断する景気の基準とは
日本の金融政策を担当する日本銀行は、その決定を下すにあたって政府の発表する月例経済報告とは別に、独自の視点から経済状況や金融の健全度について様々な面から判断を下すため、金融政策決定会合をおこない、その内容を「金融経済月報」として発表します。
月例経済報告と合わせて景気動向を把握するのに注目される金融経済月報ですが、どのような点に注目して分析・発表されるのでしょうか。また、日本銀行が景気を判断する基準にはどのようなものがあるのでしょうか。
金融経済月報の概要と、日本銀行が発表する景気判断の基準について見てみましょう。

金融政策を決定する「金融政策決定会合」

日本銀行の金融政策を決定する会合として、日本銀行政策委員会によって通常月2回開催されるのが、「金融政策決定会合」です。
金融政策決定会合では日本経済全体に影響するマクロな金融政策を決定するほか、金融政策を決定する判断の基礎となる国内外の金融や経済情勢などの各種の経済動向について議論をおこない、現状判断をくだす会合として知られています。

金融政策決定会合と「金融経済月報」

金融政策決定会合で分析・議論された経済動向は「金融経済月報」として発表されます。
金融経済月報は金融経済情勢に関する日本銀行の見方を明らかにし、政府が発表する月例経済報告と合わせて日本の経済状況がどのような状況にあるのかを判断する材料となります。

金融経済月報は大きく分けて、

  • 基本的見解
  • 背景説明
  • 参考計表

の3つの章からなりたっています。
このうち「基本的見解」の部分が毎月1回目の金融政策決定会合で検討・決定されて当日に公表され、「背景説明」を含む金融経済月報の全文は翌営業日に公表されます。

基本的見解を決定する主な材料

金融経済月報の基本的見解が日銀の景気判断を知るために欠かせないポイントですが、基本的見解はどのように決定されるのでしょうか。

基本的見解を決定するためには金融や経済状況を「実体経済」と「物価」、「金融」の3つのパートに分けて詳細な分析をおこないます。
実体経済の中では、国や地方自治体、企業や家計によって最終的な使用に供される「最終需要」がもっとも重視される要素ですが、この他にも最終需要に対応する「生産・在庫」や各経済主体の中でももっとも大きな割合を占める個人消費に大きく影響する「雇用・所得」があります。

もっとも重視される要素である「最終需要」として扱われる項目としては、国や地方自治体が主体となっておこなう「公共投資」や海外との貿易で生じる「輸出入」、企業の生産活動に欠かせない「設備投資」や最終需要でもっとも大きな割合を占める家計が主体となる「個人消費」や「住宅投資」などがあげられます。

金融経済月報の基本的見解で実体経済に次いで重視される「物価」は、物品やサービスなどの「財」の価格を総体的に捉えるものですが、経済の実態を映す「鏡」や「体温計」にたとえられます。
財の価格を決定するのはその財に対する需要と供給のバランスであり、需給のバランスの変動が経済活動に大きな影響を与えるために注目されるのです。

日本銀行が景気政策を決定する上で欠かせない要素は、実体経済や物価と並んで、「金融」があげられます。
企業活動の実態や景気動向に関する市場参加者の見通しを反映して動く短期金融市場や債券市場の金利、株式市場の値動きや、経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)に左右される外国為替市場での為替レートは、基本的に経済の動向を反映した水準で推移するため、金融政策を決定する重要な判断材料です。
また、「経済の血液」とも言われる通貨の流通量をはじめとする量的指標も金融政策を決定するのに欠かせない重要な判断材料の1つです。

おわりに

このように金融経済月報を決定する金融政策決定会合では、これらの要素や項目を検討して景気の現況を判断し、その時々に適切な金融政策を決定することを目指しています。
現在、経済政策パッケージである「アベノミクス」と歩調を合わせた「異次元の金融緩和」を継続している日本銀行ですが、その継続の決定にはこのような景気の判断基準が存在しているのです。

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