ITバブルとは


ITバブルとは
不動産から株式まで、取引市場の取引対象となっている各種資産の中で、バブルの対象となったことがない資産はありませんが、もっとも新しく大きな影響を与えた資産として知られているのが「インターネット(IT)バブル」です。
ITの経済的な影響は極めて大きく、現在のIT技術なくしては成立しない現代社会の基礎を築いたといっても過言ではありません。
今回は現代社会に大きな影響を与えたITバブルについて振りかえり見ていきましょう。

ITバブルとはどのようなものか

1990年代末に企業と消費者が直接双方向的通信を大量に処理できるe-コマースが現実化したことで、新興企業から在来企業までほとんどの会社がIT関連投資に積極的になります。
そのため、高いIT技術を持つインターネット関連企業やベンチャー企業、IT技術を活用した新サービスを開発・提供する企業に大きな注目が集まるようになります。
同時期にIT技術先進国のアメリカが低金利政策を採用したことで創業・運転資金や投資資金の調達を極めて簡単にしたため、実績がない学生ベンチャーでもプレゼンテーション次第では巨額の資金集めが容易な状況が続きます。
これらの企業の中には、現代社会に欠かせない企業も散見されましたが、そのほとんどは商業的可能性どころか技術的可能性も疑わしいものでした。
美辞麗句に彩ろられた見た目の綺麗なプレゼンテーション資料さえあれば資金が集まる状況は、まさしく「ITと名前が付けば何でも値がつく」といった状態であり、アメリカはITバブルに踏み込むこととなります。

典型的バブルとなったITバブル

このようにしてはじまったITバブルは、ITや通信関連銘柄が多い新興市場「NASDAQ(ナスダック)」株式指数であるナスダック総合指数に大きな影響を与えました。
ナスダック総合指数は1996年には1,000前後で推移していましたが、ITバブルがはじまった1998年9月に1,500を突破、1999年1月には2,000を達成して、2000年3月10日にはITバブル期の最高値となる5,048を達成します。
ナスダック総合指数の上昇に引っ張られるようにNYダウ平均や欧州やアジア、日本の株式市場も急激に上向き、ITバブル直前には15,000円前後で安定していた日経平均株価はITバブル絶頂期に目安となる20,000円を達成します。

アメリカではドットコム・ブーム、またはドットコム・バブルと呼ばれたITバブルは、アメリカと中心とする世界の経済学者に「ニューエコノミー」としてもてはやされました。
しかしその後、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げをきっかけとしてナスダック総合指数とNYダウ平均株価は急落し、2001年のアメリカ同時多発テロもあり、2002年には1,000台まで下落したことでITバブルは終焉を迎え、サブプライムローンの開発による不動産バブルが巡ってくるまで、アメリカ経済は低迷することとなります。

ITバブルの残した影響

このように極めて短期間で盛りあがりと終焉を迎えたITバブルですが、どのような経済的影響を残したのでしょうか。その影響を見てみましょう。

ITバブルが残したもっとも大きな影響としては、現代社会に欠かせない様々なIT企業を生み出したことが挙げられます。検索エンジン「Google」やショッピングサイト「Amazon」、世界最大のオークションサイト「eBay」などはITバブルの流れに乗って創業し、豊富な資金を活用して急成長を遂げ、世界的企業となりました。
アメリカだけではなく世界中で定額通信制が導入されたことにより通信のブロードバンド化が達成され、現在のインターネットなしでは考えられない生活環境の構築に一役買っているのも見逃せません。

1998年に発生したアジア通貨危機で減速傾向を示していた世界経済もITバブルにより上向くなど、経済面での影響も見逃せないポイントと言えるでしょう。

おわりに

直前のアジア通貨危機による世界経済の冷え込みを払拭したという観点から評価されるのがITバブルです。
しかし、我々の暮らしになくてはならないインターネットの普及やIT企業の誕生と成長など、見えにくいところでより大きな影響があったバブルと言えます。
日本ではあまり取りあげられないITバブルですが、その影響を考察してみるのも面白いかもしれませんね。

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